アメリカの雑誌 HiFiChoice の IA11 紹介記事

黒字が本文訳で青字は弊社のコメントでございます。

 ミスティルはプリマルーナ(プロローグシリーズ)と同じメンバーが作ったブランドで、これまで、 IA11 と IA21 の2種類のインテグレートアンプがある。プロローグとミスティルはオランダで設計、中国で生産、真空管構成などの類似点が多くあるが、これらはプロローグのクローンではない。仕様を見ると、入力は4系統、フォノや、プリ出力はない。リモコンもなく、最小限の機能を持つのみである。

「非常にシンプルで、音楽信号が通るラインに影響を与えるものが少ない構造です。フォノアンプは小型フォノボードを内蔵することができます。」

 

 左側のノブは入力切替、右のものはボリューム、サイドに電源スイッチがある。 LED も光り、真空管の放つ光と熱が運転中であることを知らせる。アンプ後部のセンターにパワートランス、サイドにそれぞれの出力トランスがある、パワー段はデュアルモノ構成で、 EL34 の5極管プッシュプル構成。出力は 40W+40W である。これは控えめな出力である。 EL34 であれば 50W 以上は出せるが、それには格別にヘビーで大きなトランスを必要とし、真空管を酷使し、寿命を縮める。前段は4つの 6SN7 双三極管である。これは入手が楽な ECC86 より大きく、オーディオ愛好家に好まれるプリ真空管である。

「一般家庭では40wは十分な出力であると考えます。能率の低いスピーカーでも十分に鳴らす事ができます。 6SN 7は大変良い真空管です。マイクロフォニックは多いですが、それゆえに良い響きを持ち、音楽を楽しく聴くことができます。」

 

 真空管アンプの1つの欠点は、現代的でない処である。がこのアンプは決して 1950 年代への後戻りではない。このアンプは完全といって良いオートバイアス回路(セルフバイアスでない)を持ち、ねじ回しによる調整を必要としない。如何なる条件下でも常に真空管を同じ状態に保てる事は高く評価できる。

「オートバイアス回路は画期的です、真空管の個々の状態に応じ、個別に適切なバイアス電圧を与えます。これは真空管に優しく、真空管は常に最高の仕事をします。ミスティルの場合、左右でオートバイアス回路が独立しており、チャンネル間の影響を受けにくいです。」

 

 音量調整部分はバラつきのあるアッテネーターでなく、高精度な抵抗を用いた 24 段ステッピングボリュームを使う。これは揺るがない音像を提供してくれる。配線材は特別に選別されたハードワイアでオーディオ愛好家にうけているものだ。ポリプロピレンフィルムコンデンサ、純銅のコイル、雑音のない抵抗、回路は遠く高周波まで対応する。再生帯域は 20Hz 〜 52KH zを保証し、 -3 d B の再生範囲は 4Hz 〜 80KH zである。これはハイファイでは問題なく、 SACD との組み合わせも可能である。筐体は意外に小さいが、丈夫である。 大部分の重さは、アンプの後部に配布される。大きな電源トランスが中央に、出力トランスが2つある。スピーカーへの出力は8オームと4オームがある。外観(特に真空管のカバー)はとてもきれいで高級感がある。ピアノ塗装仕上げで、前面に2つのスリットがあり、これは放熱用で見た目もクールである。

「ステッピングボリュームは誤差 1 %未満の精密抵抗を用いています。左右のバランスはもちろんの事、濁りのない音質はすばらしいです。コンデンサー、コイル、抵抗などの部品はすべてマルセルが試作、試聴を繰り返し決定したものです。トランス類は特注で、特に出力トランスはこだわっています。」

 

 mystere IA11は AH! のアンプの中では軽快で明るく、アップテンポである。音楽のアタック感は例外的に速い。音楽の輪郭は、サクッとクリーンに、そして正確に届けられる。
パーカッションがビートにあわせ脚でリズムを刻む感覚が現実的になる。
これは、真空管アンプでは珍しい設計で、他のほとんどの真空管アンプは甘美で美しい表現をするために輪郭は鈍くするようだ。プロローグシリーズはこの「伝統的な真空管の音」に属していたので、ミスティルの音作りはいっそうの賞賛に値する。

「一般的な真空管と、方向性が違うことがわかります。ミスティルの音はありきたりではなく特別なのです。」

 

真空管サウンドの特徴が最も現れるのは中域である。 Mystere IA11は深みのある音でありながら、例外的に開放的な中音はスピーカーの存在を消してしまう。

「当社の求める音の方向性とマッチしています。スピーカーの存在がわからなくなることこそ最良の音だと考えております。」

 

この真空管の特徴は音全体に非常に有益である。この優雅で開放的な中域、伸びやかで活発な高域を持つこのアンプは、ボトムエンドにおいては穏やかにロールオフし、よく制御されている。これは、大きい低音再生を要求する人用のアンプではない。しかし、頭上に十分な空間があっても 40 ワットとは思えない、迫力のある実存感にあなたは度肝を抜くだろう。

「楽器は決して重低音を出さないものです、コントラバスが増えても、より低い音にはなりません。それは厚みとして現れます。ミスティルは低音が自然で、音の厚みをよく表現できます。」

 

このアンプは最大音量で演奏する際に、1パーセントの歪みを生じる。これはトランジスタでは考えられない。しかしながら、 IA11 のようなアンプで歪みの殆んどは、調和的な歪みであり、これは音をよりクリーミーにするのに役立つ。(ソフトデストーション)

「調波的な歪みとは大変面白い表現です。歪みや振動を過度に除去することにより、より音楽性は損なわれます。真空管の面白さはマイクロフォニックや1%の歪みの中にあるようです。」

 

IA11は真空管アンプに必要とされるエネルギーを持っている。大音量時にもすばらしく開放的なミッドレンジでの刺激的な音の組み合わせは私をノリノリにさせる。

「あなたもぜひミスティルで音楽を楽しんでください。」

 

 

 

 

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